2013年5月20日月曜日

東京電力に返したい?

 放射性物質、ウチの庭とか屋根とか側溝とかに残っている。2年経って大分減っている。  「東電が出したんだから東電が受け取って原発の敷地内に埋めるべだ」と言う人が身の回り(リアルで)多い。

  ただ、私は違う考えだ。  私は東京電力に放射性物質を受け取って欲しい訳ではない。

 福島県内にばら撒かれた放射性物質の減衰は意外に早い、というのが私の感想だ。中間処理施設で時間をおけば、さらに安全なものになるだろう。

 さほど危険ではない、ということが分かれば、県外で受け入れる自治体も出てくるのだはないか。そもそも使用済み燃料棒等とは全然違う草木や土砂なのだから。 

 それよりも私は東京電力が福島県内で商行為、営業活動、発電等業務を続けている事に違和感を感じる。

  私は2011年3月の原発事故の主要な原因に、「東京電力にとっては福島県民は顧客じゃない」という点が大きいと考えている。茨城県民や栃木県民は東京電力の電気を使っている顧客だから、東京電力はどうしても大事にしなければならない。でも福島県民は場所を貸しているだけ。東京電力の意識としては「発電所を設置して雇ってやっている、納税してやっている。」という気持ちであろう。津波対策が省略されたのは、東京電力側に「そこまでやる必要はないだろう」という意識があったのではないか。私の推測ではあるが、一応世間でカネの事、客と店、といった関係を持ってきた人間として、そう考えている。

  だから、水力発電所も含めて、東京電力は福島県内の発電所もすべて権利を手放し、事務所も畳んで、関東の発電所だけで商売したら良い。福島県内で発電等業務を行おうとすれば、どうしても、顧客の利益のため、原価をケチりたくなるだろう。それが悪いとは言わない。給料を貰って仕事している以上、経費を節減し原価を下げて安価で高品質のサービスを顧客に提供しようと努力するのは職業人として当然のことだ。

  だからこそ、顧客でない福島県で東京電力が発電するのはやめるべきだ、と言いたい。

  原発の地元に住んでいるのは顧客である、という緊張感の中で仕事をするべきだ、と思う。

  水力発電も含めて、東京電力は福島県から撤退し、東北電力など他の電力会社がそれらの設備の運用を引き継ぐか、公的な機関が設備を競売して売却するか、そういった対応をしていくべきだと考える。 

 発電所は原子力でなくとも火力でも水力でもリスクがある。リスクを負うのは福島県人、受益者は関東の人。その矛盾を金銭のヤリトリで埋める、というやり方はやめるべきだ。利益を得る人間がリスクを負うべきだ。  

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